「時制の一致の例外」は知らないと間違え易い。例えば《Everyone knew that the sun rises from the east.【誰もが太陽は東から昇ると知っていた】》は正しいでしょうか?主節の動詞「knew」が過去形だから時制の一致で「過去形のrose」だろう?と思いがちです。ここではその「例外表現」を覚えましょう。
目次
1.結論
時制の一致の例外事項は、下記の6パターンを暗記する。
①不変の真理や社会通念(諺)のケース
➡現在形のまま
I was taught at school that one plus one is two.
【私は学校で1+1=2だと教わった】
⇒「1+1=2」は不変の真理
Everyone knew that the sun rises from the east.
【誰もが太陽は東から昇ると知っていた】
⇒「太陽は東から昇る」は不変の真理
Investors would often say that time is money.
【投資家はしばしば時は金なりと言ったものだ】
⇒「時は金なり」は社会通念(諺)
②現在の状態、職業、習慣を表すケース
➡現在形のまま
My teacher asked me what my mather does.
【先生は私に母の職業は何かと尋ねた】
⇒母の現在の職業を聞いているので現在形とする
I said to everyone that I am a high school student now.
【私は皆に今は高校生だと言った】
⇒私の現在の状態を聞いているので現在形とする
③歴史上の事実、過去の明白になっている出来事を表すケース
➡過去形のまま
Did you know that WWⅡ broke out in 1939 ?
【あなたは第2次世界大戦が1939年に勃発した事を知っていましたか】
✖ Did you know that WWⅡ had broken out in 1939 ?
⇒主節の「Did」に釣られて過去完了形にしない。そのまま過去形にする
④比較を表す副詞節のケース
➡現在形のまま(現在との比較を意味する場合)
My brother was yonger then than I am now.
【私の今頃よりその頃の兄は幼かった】
The sea was not as polluted as then it is now.
【その頃海は今ほど汚染されていなかった】
⑤助動詞に「過去形」がない《must/ought to/need》を使うケース
➡現在形のまま 但し、過去形がある助動詞は、時制の一致を受けるので要注意
(詳細は下記3-(4)をご参照)
I thought you must leave this town.
【君はこの町を離れるべきだと私は思った】
She said that you ought to come back.
【あなたは戻るべきだと彼女は言った】
⑥《should》が省略されて、動詞の原形が現れるケース
➡原形のまま
詳細は、下記3-(5)をご参照
2.時制の一致の原則
時制の一致は、下記の様にケースバイケースで対応が異なる。
⑴下記 a)~c)の時制では、従節の①~⑤すべての時制の文が成立する。
(2)しかし主節の動詞が過去 / 過去完了の場合、下記の通りに時制の一致が起きる。
従節の動詞を、原則として下記のとおり変化させる
①現在➡過去にする
He knows I am ill.
【彼は私が病気だと知っている】
➡ He knew I was ill.
【私が病気だと知っていた】
②過去➡過去完了(又は過去)にする
時系列を明確にするには従節を過去完了にするのが無難
He knows I was ill.
【彼は私が病気だったと知っている】
➡ He knew I had been ill.
【彼は既に私が病気だったと知っていた】
③現在完了/過去完了➡過去完了にする
He knows I have been ill.➡ He knew I had been ill.
④未来、未来完了、助動詞➡過去の助動詞にする
He knows I will be ill.➡ He knew I would be ill.
3.時制の一致の例外
(1)従節の動詞の時制が現在のままのケース
①不変の真理や社会通念(諺)の場合
The historian explained that the Earth revolves around the Sun.
(歴史家は説明した「地球は太陽の周りを公転する」と)
この例では、主節の動詞 "explained" が過去形でありながら、従属節の動詞 "revolves" が現在形を使っています。これは、過去の発言や報道を引用して現在の事実を伝える場合に使用される一例
②現在の状態、職業、習慣、を表す場合
My teacher asked me what my father does for a living.
(先生は私に父の生計を立てるために何をしているか尋ねた)
The interviewer asked me what languages I speak fluently.
(面接官は私に流暢に話せる言語は何か尋ねた)
They asked me what my favorite hobbies are.
(彼らは私に趣味が何か尋ねた)
これらの例文では、主節の動詞(asked)が過去形であるため、従属節の動詞も過去形となります(does → do, speak → speak, are → are)
先生やインタビュアーが過去の瞬間に尋ねたことを示していますが、質問の内容は現在の状態や職業、習慣を尋ねるものです。このようなケースでは、質問内容が現在に関わるため、従属節の動詞が現在形を取ることがあります。
(2)従節の動詞の時制が過去形のままのケース
歴史上の事実、過去の明白になっている出来事、を表す場合
I learned that the Berlin Wall fell in 1989.
(私はベルリンの壁が1989年に倒れたことを知った)
過去の明白な事実や歴史的な出来事を表す場合、従属節の動詞は通常、過去形になります。
この文では、動詞「倒れた」は過去形であり、過去の出来事であることが既知の事実として示されています。過去完了形(「倒れていた」など)はこの文脈では使用されません。
(3)比較を表す副詞節のケース
主節と(現状を説明する)副詞節の間では、時制の一致は起きない。
She told me that she still loves chocolate even though she's on a strict diet.
(彼女は厳しいダイエット中であるにもかかわらず、今だにチョコレートが大好きだと言った)
⇒stillで今チョコレートが好き、な状態を説明している副詞節
He explained that he has a busy schedule this week, but he can still make time for the meeting.
(彼は今週忙しい予定があると説明したが、それでも会議のための時間を作れると言った)
⇒his weekで、忙しい状態を説明している
⑷助動詞に「過去形」がない《must/ought to/need》を使うケース
助動詞の語形変化
《must/ought to/need》は、過去形がないので現在形のままで良い。
⑸《should》が省略されて動詞の原形が現れるケース
①判断や感情を表す形容詞が来る《It is ~that》構文の場合
It is + 形容詞 + that + 主語 【+shuold】 + 動詞の原形
⇒ 【+shuold】は省略可能。寧ろ米語では省略が普通
It is natural that the earth (should) go around the sun.
【地球が太陽の周りを回るのは自然なことである】
②主節に提案や要求を表す動詞がある場合
主語 + 動詞 + taht + 主語 【+shuold】+ 動詞の原形
⇒ 【+shuold】は省略可能。寧ろ米語では省略が普通
He insisted that my offer (should) be rejected.
【彼は私の提案は否決されるべきと主張した】
propose [suggest] (提案する)
demand [request] (要求する)
order [command](命令する)
insist (主張する)
request (頼む)
recommend (勧める)、等も同様。
詳細は下記リンクをご参照
https://howto-komarigoto.work/entry/should_004#gsc.tab=0
《Brake !》効率的な英語勉強法のご提案(興味のある方はご参照ください)
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間接話法でも、時制の一致と例外は適用されることを知っておくべき。
https://howto-komarigoto.work/entry/indirect_narration_re_003#gsc.tab=0
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